掲載費はもう払った。管理画面の応募件数は0のまま。社長には「まだ応募ありません」と報告しなければならない。配車と兼務で採用を回していて、原稿を全部直す時間はない——。
この記事が答えるのは1点だけです。どこから直すか。
原稿を疑う前に、媒体側を3つだけ確認する
原稿が悪くなくても応募が来ない状態はあります。先に切り分けます。
- 掲載が生きているか。掲載期間が切れていないか、公開範囲の設定が限定されていないか。媒体によっては掲載更新が止まっていることがあります。
- 職種名で見つかるか。求職者は「大型ドライバー」「4t 配送」のような言葉で探します。自社の呼称(「配送スタッフ」「輸送職」)だけだと、検索の入口に乗らない場合があります。実際に自分で検索して、自社の求人が出てくるか確かめてください。
- その地域に母数がいるか。通勤圏の求人倍率と免許保有者の分布は、原稿では動かせない条件です。近隣営業所での募集や通勤手当の見直しが必要なこともあります。
この3つが問題なさそうなら、残るのは原稿です。ここから先が、今日変えられる唯一の変数です。
診断エンジンは「直す順番」をこう決めている
当方の求人票診断は100点満点で、内訳は4カテゴリです。
レポートの「最優先の改善ポイント」は、この配点から機械的に決まります。実装のロジックは3ステップです。
- 法令・表現リスクの不合格を、配点を無視して最優先にする。応募数の前に、掲載や募集条件そのものに関わる項目だからです。
- 残りは、カテゴリをまたいだ1つの列に並べ、配点の重い順に取る。ここが実装の要点です。法令・必須情報・具体性・訴求力が、すべて同じ列に入ります。1項目あたりの配点が最も重いのは訴求力の4観点(各10点)、次が法令の「要確認」判定(年齢・その他の各6点)、そして給与(5点)、仕事内容・休日・情報量・数字の密度・常套句(各4点)と続きます。つまり「必須情報を全部埋めてから訴求力へ」ではありません。必須情報に穴がなければ、上位は訴求力の指摘で埋まります。
- 上から3つだけを提示する。全項目のリストは別に出しますが、最初に直すのは3つまで。指摘が3件に満たなければ、その件数だけを出します。
順番が好みではなく配点で決まっている、というのがこの設計の要点です。だから同じ「書かれていない」でも、給与(5点)は雇用形態(2点)より先に来ます。全部を同時に直そうとして着手が止まるより、3つに絞るほうが動けます。
必須情報8項目の個別配点と、具体性を判定している4つの数値基準(文字数・数字の密度・常套句・構造化のしきい値)は、ハローワークの求人に応募が来ないときの記事で全項目を公開しています。数字で確認したい方はそちらを参照してください。
運送の求人票で、先に埋めるべき事実
当方のエンジンは業種ごとに「読み手の典型的な不安」を持っています。運送業についての実装は、この1文です。
拘束時間の長さと2024年問題後の収入減への不安。手積み手降ろしの有無・車格・ルートの具体性が鍵
この文がAI評価層に渡され、「読み手の不安への回答」(10点)の採点根拠になります。配点10点は、給与の記載漏れ(5点)の倍です。引用の中身を、形容詞ではなく数字と事実で書けているか確認してください。
- 拘束時間と1日の流れ。何時に点呼、何時に帰庫、待機はどれくらい発生するか。「早出あり」ではなく時刻で書きます。トラック運転者の拘束時間については、厚生労働省の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示・平成元年労働省告示第7号)」があり、令和4年厚生労働省告示第367号による改正後の基準が2024年4月1日から適用されています。規制の細部は所轄の労働局・運輸支局の資料でご確認ください。求職者が知りたいのは条文ではなく、自社が実際に何時から何時まで働く職場なのかです。
- 収入の内訳。基本給・歩合・手当(無事故・乗務・残業)の構成と、モデル年収を経験年数つきで。改正後の基準の適用で「収入がどう変わったのか」を気にしている読み手には、内訳の開示がそのまま回答になります。
- 手積み手降ろしの有無。荷役作業があるかないか、あるなら1日何件・どの程度の重量か。書かなければ、求職者が最初に確かめたい条件のひとつを、確かめられないまま残すことになります。
- 車格とルート。2t/4t/10t/トレーラー、地場か中距離か長距離か、固定ルートか当日配車か。同じ「ドライバー募集」でも仕事はまったく別物です。
この4点はどれも「会社が知っていて、求職者が知らない」情報です。書くのに調査は要りません。
今日できるチェック(由来つき)
由来を明示します。〔実装〕は機械チェック層が判定している項目、〔実装・AI評価〕はAI評価層が判定している項目、〔実務〕は判定に含まれない補足です。
- 〔実装〕給与が金額で書かれているか(「月給25万円〜32万円」のように幅と根拠つきで)。必須情報のなかで最も配点が重い項目です。判定は「月給」「時給」「日給」「年収」「月収」等の語と金額がセットになっているかを見るので、その語とセットで書いてください。
- 〔実装〕休日・休暇の記載があるか。ただしエンジンが機械的に見ているのは「休日」「年間休日」等の記載の有無までです。「年間休日105日・日曜固定+シフト」のように具体化した効果は、具体性(数字の密度)と訴求力の側で拾われます。
- 〔実装〕単位つきの数字が10箇所以上あるか。円・万円・時間・分・日・名・人・年・歳・%・℃・km・kg・t・件・台・回などが付いた数字を数えます。全角の数字・記号はカウントされないので半角で書いてください。拘束時間・件数・重量・車格・年間休日・勤続年数で埋まります。
- 〔実装〕「アットホーム」「やりがい」等の常套句が3種類以上入っていないか。同じ語を何度使っても1語として数え、異なる常套句が3種類以上で不合格です。
- 〔実装〕見出し・箇条書きが5行以上あるか。スマホで流し読みされる前提の構造です。
- 〔実装・AI評価〕手積み手降ろし・車格・ルートが書いてあるか。この3点は運送業の業種コンテキストとしてエンジンに登録されており、訴求力の「読み手の不安への回答」(10点)の採点根拠になります。
- 〔実装・法令面〕性別・年齢を条件にする表現が入っていないか。募集・採用では原則として性別・年齢による限定ができません(男女雇用機会均等法・労働施策総合推進法)。性別の不合格は、配点を無視して最優先に回されます。一方で、国籍・身体的条件・容姿・居住地による限定や、手当の支給条件を年齢で区切る書き方は「要確認」(各6点)として扱われ、給与(5点)より上位で指摘に上がります。
順番が決まれば、あとは書くだけです
原稿を全部直す必要はありません。①法令面の不合格 → ②残り全項目を、カテゴリをまたいで配点の重い順に3つ。これが実装に固定された優先順位です。必須情報が埋まっている原稿ほど、上位に来るのは訴求力(各10点)の指摘になります。
当方の無料診断は、求人票のテキストを貼るだけで、この採点と「最優先の改善ポイント」を24時間以内にメールでお返しします。営業電話はかけません。応募が増えることの保証はできません。できるのは、どこから直すかを配点で決めて渡すことです。
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出典
- 改善提案の優先順位・配点・判定閾値: 当方の求人票診断エンジンの実装(2026年8月時点)
- トラック運転者の拘束時間に関する基準: 厚生労働省「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示・平成元年労働省告示第7号)」(令和4年厚生労働省告示第367号による改正・2024年4月1日適用)
本記事の配点・閾値・優先順位のロジックは、当方の診断エンジンの実装をそのまま記載したものです。求人票の改善によって応募数が増えることを保証するものではありません。労働時間等の規制の具体的な適用については、所轄の労働局・運輸支局にご確認ください。